4月に入ってかなり環境が変わった(変えた)ので更新が遅くなってしまいました。
さて、連日のウクライナ情勢の報道に心が痛みます。
早く平和が訪れますように。
そして写真はチキンキーウ。(キエフではなくキーウ)
これでウクライナに何か貢献できるというものではありませんが、ちょっと食べたくなって。
初トライで不格好ではあるものの作り方自体はそれほど難しくはなく、結構おいしくできました。
チキンの中に仕込むハーブバターに使うディルというハーブにこだわってしまい、何件もスーパーをはしごして手に入れましたが、他のハーブ(例えばパセリでも)でも大丈夫そうです。
皆さんも作ってみてください。
料理は趣味の一つにしています。
食べることが大好きというのが第一ですが、研究から知財に移り、実験で手を動かすことがなくなったので、その代わりに料理をするようになったような気がします。
料理も化学反応ですし。
ただ、最初の頃は化学実験とは程遠い曖昧さ、例えば調味料を少々とか(mg単位まで計りたい)、適量とか(それがわからないからレシピを参考にしているのに)に戸惑うことが多く、十分楽しめていませんでした。
化学、特にものづくり系の実験では、原料等を正確に秤量して反応容器に仕込むのは当然のことで、反応が始まったら途中で条件を変更することはほぼしません。
それをすると再現性が怪しくなりますし、他の条件との比較も難しくなってしまいます。
特許の実施例/比較例も同じですね。
検証したい条件のみを変化させ、他の条件は統一するのが基本です。
そんなある日、ある研究者の実験のやり方を見ていると、進み具合がもうひとつだったら途中で温度を上げたり、原料を追加したり、添加物を入れてみたり。
これを見て、料理をするような実験だなあ、と思っていました。
逆に私の料理は化学実験そのまま頭カチカチのやり方だったことに気づきました。
確かに料理は実験と違って材料の大きさや質が一定ではありませんし、それによって火の通り具合や味の付き方も変わるので、水の量、他の具材とのバランス、調味料の種類や量、調理温度、調理時間なども適宜、調整する必要があります。
そして、それを的確に行うには状態をきっちりと把握し(鍋やフライパンの中身の状態をしっかりと見たり、味見をしたり)、対応しなければなりません。
一方、リカバリーが可能なので、仕込み段階はそれほどこだわらなくてもいいということですね。
(ただし、お菓子造りのように、オーブンに入れたらあとは触れず、量関係が狂うと膨らまなくなるようなものは仕込みに神経を使う必要があると思います)
そのように料理への考え方を変えたところ、自由に、大胆に作業できるようになり、そうなるとどんどん楽しみを感じることができるようになりました。
では、料理のように実験するのはいけないことでしょうか。
再現性が求められるような場合は問題ですが、初期の条件探索やあたり実験の場合はありだと思います。
むしろ、そうすることでおおよその感触をつかめ、それを元に詰めていくほうが最適解への近道ではないでしょうか。
そして、その場合も大事なのは観察です。
料理のような実験が観察の重要性を呼び起こしてくれると思います。
ということで、料理するみたいな実験も試みてください。
また、どんどん料理してください。楽しいですから。